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心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。(徒然草)
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こんにちは。紫遠です。



ぐりやみくしのほうでも、ちょこっと書きましたけど、

長い間お世話になっていた、書道教室の先生が亡くなりました。




亡くなったのはおとといのようで、昨日母から連絡を受けました。

71歳。女性の平均から言えばちょっと早い気がします。





先生は、左半身の動かない人でした。

先生のことを記事にした新聞によると、20歳の頃、突然動かなくなったんだそうです。

ちょっと移動するときには、人の手を借りないといけませんでした。
多くは他の先生が支えましたが、たまに私も支えのお手伝いをしました。
まだ私が子供だったというのもあり、とにかく重かったという覚えがあります。

左足のみ不便なら、壁を使い左手で支えることができますが、
先生は左手も使えないので、壁に肩で支えて、ようやく立てるような状態でした。



そんな先生は、書道の道を志したのは身体が動かなくなってからなのだとか。
動く右手で何かしようと思ったのがきっかけなんだそうです。

だからなのかはわかりませんが、先生の字は教科書のような小奇麗な字ではなく、
大きく、力強く、血が通ってるような、生きてるっていう字でした。

子供が立ててあるさまざまな筆に触って遊んでいるのを見て、
「私の命で遊ばないで」と叱ることもしばしばありました。私も叱られました。

本当に、書道を大切にし、生きがいにしている人でした。




先生は、とても心優しい人でした。

子供のときに私が道端の草花を摘んで先生に渡したところ、ただの雑草なのにとても喜んでくれて、
次の週に教室に行くと、枯れてしおれたその草花がまだ大切に先生の机に置かれており、
「せっかくくれたのにね」と苦笑いしてたのを覚えてます。

親に誘われ何気なく新聞社に投稿した、「喘息に負けない」的な内容の詩を見せると、
おもむろにその詩を自分のノートに書き写し、
涙を流しながら「感動した、ありがとう」と言ってくれました。

中学の美術の授業で、篆刻で自分の名前を彫ったんだという話をすると、
自分の作品に押せるように、と、いかにも高そうな朱肉をプレゼントしてくださいました。

どこかに遊びに行って、お土産を先生に渡したところ、
なぜか5000円札を一筆添えた封筒に入れて私に渡してきて、戸惑ったこともありました。
あの時の5000円札は使えないまま、先生の達筆で書かれた封筒の中に入ったまま実家にあります。

毎年必ず手書きの宛名で、印刷と一緒に一言手書きで添えられた年賀状が届いてました。
書道教室に通う人数はすごく多いだろうに、ちゃんと手書きしてくれる先生はすごいと思ってました。
一方で、先生宛の年賀状は全て、シート状に固定されて教室に展示されてました。
年賀状が来るのが嬉しかったのかなぁって思います。





先生との思い出を書き始めたらきりがありません。


最初教室に通い始めた頃は、どうしたらいいのかわからず、
とりあえず買った用紙にひたすらいっぱい字を書いたら、
「いっぱい書いたね」ってなぜかほめてくれたり。

毎週、がんばったねと言っては飴をくれたり。

上手に書けると、朱墨でこれでもかっていうぐらい大きな花丸をくれたり。

正座のしすぎで足がしびれて動けない私の様子を見て笑ったり。

書初めなど学校の提出課題は、本当に真剣に指導してくれたり。



高校生になって、書道教室が毎週土曜日なため、
高校の模試と重なっては教室に行けない日が続き、
結果、やめることになったわけなんですが。

私がやめること、本当に残念がってくれて。

もし、模試が無く土曜が空いていたなら、続けたかったなって今でも思います。






先生。

先生が字を教えてくれたおかげで、「字が上手」と周りからほめられるようになりました。



先生。

やめてからもう6年以上経ちますが、先生の教室の様子を綺麗に思い出すことができます。



先生。

先生を思い浮かべると、笑顔の先生しか思い出せません。




先生。

身体が弱ってしまっていて、動けない状態だったなんて、知りませんでした。





先生。

先生。



今まで、本当にありがとうございました。


本当に、ありがとうございました。





どうか先生が、向こうでも笑顔でいてくれていること、心から願うばかりです。


どうか、安らかにお眠り下さい。






ありがとうございました。












それでは。あまりにも風が強いせいで今から大学に行くか行くまいか悩み中・・・

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